保護したり、生まれたりなどして新しくお家にお迎えした子犬・子猫にどのようなフードを与えれば良いのだろうか。
ここでは、フードの与え方や種類について獣医師が解説していく。
子犬・子猫へのご飯の与え方
フードの与え方はライフステージに応じて異なる。成長期にある子犬、子猫は必要なエネルギー量が多い一方で、消化管の機能がまだ不十分なため一度にたくさんのフードをあげることがない。一度に食べ過ぎると吐いてしまうことや下痢になってしまうこともあるので注意すべきだ。成長とともに食事の内容、回数を減らすことが体への負担のない成長を手助けする。
また、空腹時間が長い、食事量が不十分だと低血糖状態に陥ってしまうことがある。哺乳中や離乳後間もない子たちは特にフードをしっかり食べられているか注意が必要だ。
子犬・子猫にはどのようなご飯がいい?
ミルク、ウェットフード、ドライフード、手作りごはんと様々な種類があるなかどれを与えれば良いのだろうか。
基本的に離乳後はウェットフードから与え始め、乳歯の生え具合を含めた成長に合わせながらドライフードに切り替えていくべきだ。
出生から離乳まで
出生後から4週ほどで離乳になる。この期間は母親からの母乳あるいは犬・猫用のミルクを飲ませる必要がある。
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離乳から乳歯が生え揃うまで
犬猫ともに生後1か月ほどで乳歯が生え始め、離乳時期を迎える。ミルクからの移行時には、消化しやすいウェットフードやふやかしたドライフードなど水分量が多いフードを選びましょう。離乳直後はフードにミルクを加えドロドロに混ぜることで消化への助けになる。
歯が生え揃ってから
乳歯が十分に生え揃ってきたらウェットフードからドライフードに移行していく。ウェットフードは水分量が多くエネルギーの摂取効率としては、ドライフードのほうが優れている。また、ウェットフードは歯に付きやすく、歯垢や歯石の原因になりやすい。乳歯が十分に生えてきたらドライフードへの移行が望ましい。
しかし、成長期を過ぎても子犬・子猫用のフードを食べ続けると過剰なカロリー摂取に繋がり、肥満になってしまうこともあるので注意が必要。また、避妊手術や去勢手術を行う方も多いでしょう。手術後はこれまでよりも太りやすくなるので、カロリーコントロールされたフードを選択するのも良い。現在、様々なフードメーカーさんからカロリーを考慮した避妊・去勢後用のフードも販売されている。
犬の場合は、小型犬種は10~12か月齢、大型犬種は12~14週齢あたりで成犬用のフードに切り替える目安となる。
猫の場合は、12か月齢を目安に成猫用のフードに切り替えを検討していくべきである。最も、実際の体型や成長状態を合わせてフードは適宜考えていく必要がある。
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子犬・子猫に必要なご飯の量は?
フードの量は体重と食べているフードの種類によって異なる。フードパッケージに体重毎の適正給餌量が記載されているので、それを確認しながらフードを与えよう。
あくまでも給仕量は目安であり、実際の必要なエネルギー量には個体差がある。パッケージを参考にしながらも体型を見ながら、フードの増減を行って欲しい。
子犬・子猫には1日に何回ご飯を与える?
子犬・子猫は成犬・成猫に比べてフードを与える回数は多いほうがいい。
離乳まで
人の手で犬・猫用ミルクを飲ませる際は3時間毎の給仕が目安になる。
子犬の離乳後
骨や筋肉の急成長にたくさんのエネルギーが必要になる12週齢までは1日4回に分けてフードを与えることが推奨されている。
その後3か月齢から6か月齢は、次第に必要エネルギーが減り始めるため、1日3回が目安になる。
子猫の離乳後
離乳後の子猫は一度にたくさんのフードを食べれないため生後4か月程度までは1日3~5回に分けるのが良い。その後成長期の間は1日3回程度を目安に与えていきましょう。
子犬・子猫の食いつきが悪い! 考えられる原因は?
食いつきが悪い要因には病的なものから生活での問題など様々ある。
病気以外が原因の場合
病気以外の原因としては下記のようなものが考えられる。
おやつなどをあたえすぎている
おやつ等を与えることや遊びが優先されることで、興味がフード以外に向いてしまうと食べむらがでたり、食いつきが悪くなったりすることがある。
また、食べむらがあった際におやつなどを与えてしまうことで、より興味が逸れてしまうこともあるので注意が必要だ。
環境の変化
新しい環境に慣れないことでのストレスからフードの食いつきが悪くなる場合がある。
性格の問題
トイプードルなどのトイ種では、生まれ持っての性格として食べむらがある犬がいる。
病気が原因の場合
病気が原因で食いつきが悪くなる場合は、その他にも症状が出てくることが多い。食欲不振と合わせて体調面の異変があるならば動物病院にいくべきである。
食欲不振の原因となる病気で、特に子犬や子猫に多いものとしては下記のようなものが挙げられる。
寄生虫性疾患
お腹の中に寄生虫がいる場合にも下痢や嘔吐、食欲不振といった症状がでる。下痢がある場合は便の検査をすることで虫卵の確認や、適切な駆虫剤を飲む必要がある。
猫カゼ
くしゃみや鼻水、結膜炎(目の赤み)などの症状がでると共に元気がなくなり食欲が落ちることがある。ネコカゼは長引くことが多く注意が必要だ。
ケンネルコフ
子犬にみられる感染症の一つであり、咳や食欲不振、発熱が認められる。進行すると肺炎に進むこともあり、抗生剤の服用などの適切な治療が必要
子犬、子猫に与えない方がいいものは?
必要なエネルギーの観点から成犬・成猫用やダイエット用のフードはあげるべきでない。
また、手作りフードは必要な栄養バランスの調整が難しく、与える場合は注意が必要。
おやつのあたえすぎもくれぐれも注意してほしい。小さい頃から好きなものだけを与えていると、大人になってからもわがままになってしまうことが多い。
おやつはしつけやコミュニケーションのツールとして1日に数回与える程度にしておこう。
まとめ
フードはライフステージに応じて与える頻度、種類を変えていく必要がある。ここに記載したものはあくまで一般的な目安であり、実際のその子その子の成長具合をみながら与え方を検討していくべきである。
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