猫の放し飼いはやばい

昔よりはかなり減ったと思うが、まだまだ猫を放し飼いにしている人はたくさんいる。

「外の方が楽しそう」
「狭い部屋の中に閉じ込めておくのはかわいそう」
「もともと野良猫だから家の中にいれたくなくて」

などなど、いろいろな事情はあると思うが猫の放し飼いは百害あって一理なしだ。

今回は猫の放し飼いが猫にとっても、人間にとっても良くない理由を現役の獣医師が解説していく。

怪我をしやすい

放し飼いの猫はしょっちゅう怪我をして動物病院に来る。
怪我の仕方は様々で、交通事故や猫同士の喧嘩、ヘビに噛まれた、などなど。

猫の皮膚は人間よりも弱いから、少しの傷でも重篤化してしまうこともある

怪我をしているのを確認したら、すぐに動物病院に連れてきて欲しい。

感染症をもらってくる

放し飼いの猫は室内外の猫と比べて感染症にかかる確率が圧倒的に高い。
代表的なものをいくつか紹介する。

猫エイズ

猫エイズウイルスが原因で発症する。
感染経路はけんかなどの咬傷が一般的だ。

猫エイズウイルスに感染するともう治らないとてもやばい病気だ。

症状

症状は特徴的なものはなく、体重減少や食欲低下、貧血など。

そのほかにも、免疫力の低下からいろいろな感染症の複合感染を起こし、皮膚病や下痢、嘔吐などが見られることがある。

このような症状が続き、徐々に弱っていってしまい最終的には死に至る

治療

発症してしまった場合の治療法は特になく、症状に合わせての対症療法しかない。

予防

感染前ならワクチンで予防することも可能だが、感染防御率はあまり高くなく、70% 程度と言われている。
やはり、そもそも外に出さないことが一番の予防になる。

猫白血病

猫白血病ウイルスの感染により発症する。

この病気も猫エイズと同様に治療法がないやばい病気だ。

唾液中のウイルスによって他の猫に伝染する。
唾液だけでなく、尿や糞、血液も感染源になり得るから、家の猫が1匹でも感染したら隔離しなければならない。

症状

リンパ腫や白血病による貧血、免疫不全状態による様々な感染症の発症などが考えられる。
妊娠している場合は流産や死産もありえる。

この病気でも上記のような症状から徐々に衰弱して最終的には死んでしまう

予防

毎年のワクチン接種での予防も可能

だが、もちろん予防効果は100%ではない。
一番大切なのは、白血病に感染した猫との接触を避けるために、猫を外に出さないことだ。

猫カゼ

人間と同じく、猫も風邪を引くことがある。
放し飼いの猫の場合は、特に風邪を引くことが多い。

カゼといっても、猫のカゼは重症化することや慢性化することもあるため、油断はできない。

原因としては、猫カリシウイルスや猫ヘルペスウイルスといったウイルスや、クラミジアなどの細菌の感染が考えられる。
これらの病原体に感染した猫の唾液や鼻水から感染が広がることが多い。

症状

発熱やくしゃみ、鼻水、結膜炎、目ヤニ、口内炎など。


重症化すると食欲不振や脱水などから重篤化して死んでしまうこともあるから、なめているとやばい病気だ。

治療

抗生剤や抗ウイルス薬の投与、目薬、点滴などで治療していく。

猫カゼは長引くことも多いので、長期間動物病院に通わなければいけないこともある。

予防

毎年のワクチン接種で感染や重症化を防ぐこともできるが、やはり100%ではない。
一番大切なのは猫を外に出さないようにして、カゼを引いている猫と接触させないことだ。

寄生虫の危険性

猫を外に出すと、寄生虫に寄生される可能性がある。

寄生虫の中には、猫だけでなく人間にも害をもたらすものがあるため注意が必要だ。

ノミ・ダニ

猫を放し飼いにしていると、高確率でノミやダニに寄生される。

ノミやダニに多数寄生されると、吸血されて貧血症状を生じるだけでなく、さまざまな病気の原因になる。

ノミによる病気

ノミアレルギー性皮膚炎

ノミアレルギー性皮膚炎は、ノミの唾液に対するアレルギー症状により皮膚の痒みや皮膚炎を生じる病気だ。
痒みのある部分を噛んだり、掻いたりすると、皮膚病の悪化や脱毛も引き起こしてしまう。

瓜実条虫症

瓜実条虫という寄生虫が原因で発症する病気だ。

瓜実条虫はもともとノミの体内に寄生している寄生虫だ。
瓜実条虫が寄生しているノミを、毛づくろいなどの際に食べてしまうと感染する。

軽度の場合は感染しても無症状のことが多い。
肛門に虫の一部が付着して、それによる痒みで肛門を擦り付けたり、脱毛がみられることもある。
重度の感染では痩せてしまったり、嘔吐や下痢が見られることもある。

感染している場合は動物病院で駆虫薬をしてもらい、治療することができる。

ちなみに、瓜実条虫は人間も感染する。
人間の場合もノミが口に入ることで感染してしまうため、猫にノミがついているのを見つけても、指で潰してはいけない。

ダニによる病気

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

SFTSはマダニが媒介するウイルスによる感染症で、マダニに咬まれることで感染する。

この病気は猫や犬だけでなく人間も感染する病気で、マダニからだけでなく、感染した動物から人間に伝染することもあるため特に注意が必要だ。

症状としては、人間も動物も発熱や吐き気、嘔吐などが考えられる。
致死率は非常に高く、人間の場合は30%が死に至る。

国立感染症研究所(https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/sa/sfts.html)によると、これまでの日本国内での患者数は2021年7月28日現在で641人で、年間40〜102人の感染者が確認されている。

ミミヒゼンダニ感染症

耳の中に寄生するミミヒゼンダニの感染によって発症する。

発症すると耳に汚れがたまり、痒みから頭をよく振るようになる。

ミミヒゼンダニは猫から猫に伝染するため、外に出さないことが大切だ。

疥癬

ネコショウセンコウヒゼンダニの感染によって発症する。

発症すると痒みを伴う皮膚炎が全身に生じ、皮膚は分厚くなり、フケも多く出る。

この病気も感染した猫と接触することで感染するため、外に出さないことが大切だ。

ノミ・ダニの予防

ノミやダニの寄生を予防するには、定期的に予防薬を投与することが大切だ。
家の中は冬でも暖かいので、基本的には一年中の予防をすすめている。

予防薬には下のようなものがあり、皮膚に垂らすだけで簡単に投与できる。
薬の種類によって予防できる寄生虫の種類は少し異なるため、注意が必要だ。

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お腹の寄生虫

回虫症

猫回虫の感染によって発症する。
猫回虫は回虫の卵を食べたり母猫の母乳を飲んだりすると感染する。

感染しても症状は現れないことが多いが、食欲不振や嘔吐、下痢などを生じることもある。

また、人の幼児が感染するとトキソカラ症を起こし、発熱やせき、肝臓の腫れがみられることがあるため注意が必要だ。

治療には下のようにシロップタイプや錠剤の駆虫薬もあれば、ノミダニの予防と同時に駆虫もできるタイプの薬もある。

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コクシジウム症

イソスポーラという種類の原虫の感染により発症することが多い。

症状としては下痢や嘔吐、血便などが考えられる。

予防薬は特になく、猫を外に出さないことが一番の予防になる。

裂頭条虫症

マンソン裂頭条虫という寄生虫に感染して発症する。

マンソン裂頭条虫に寄生されたヘビやカエルを猫が食べることで感染することが多い。

感染しても無症状のことが多いが、下痢や嘔吐などが見られることもある。

治療にはプラジカンテルという駆虫薬を多めに投与する必要がある。

意図しない繁殖の可能性

猫を外に出していると、外にいる猫と交尾して繁殖してしまう可能性がある。

繁殖してしまうと、面倒が見切れないほどの数にまで増えてしまうことや、他人の家の敷地に入ってしまい近所迷惑となってしまうことがある。

猫は屋内で飼育しよう

今回は猫を放し飼いにする危険性を獣医学的観点からまとめた。

記事を読めばわかるように、外は感染症などの危険でいっぱいだ。

猫は屋内で飼育することを強くお勧めしたい。

まとめ

  • 猫を外に出すと、交通事故などで怪我をすることが多い。
  • 外に出すと他の猫や野生動物から様々な感染症や寄生虫をもらってくることがある。
  • 外の猫と繁殖してしまうと、近所迷惑につながることもある。
  • 猫は必ず室内で飼育しよう。

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